2005年03月12日

月刊みりさば0312

 本年最後の月刊みりさばは12月らしくクリスマスのお話である。もちろんそれはみりさば視点からではあるが...
 北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)というアメリカとカナダの合同軍事組織がある。この組織はアメリカとカナダを空の驚異から守るのが仕事なんであるが、クリスマスの夜だけは特別任務があって「サンタが今現在どの辺でプレゼントを配っているのか」ということをNORADのシステムを使用して調べて世界中に配信しているのだ。
 えっ?どうしてこんな軍事組織がこんなことをしているのかだって?それはまずNORADの前身組織である「中央防衛航空軍基地(CONAD)」のまでさかのぼらねばならない。
 当時、地元のコロラドスプリングスでは地元の店がサンタさんと話ができるサンタホットラインというサービスのチラシを作成した。しかぁし!このチラシの電話番号が間違っていて、なんとCONADの電話番号が載っていたのだ。
 で、サンタさんにつながる予定の電話はなんとCONADの司令長官「ハリー・シャウプ大佐」にかかってしまったのだっ!。
 ここで「キミキミすまんね。チラシになんか間違いがあってね」なんていって終わってしまえばそれまでの話だったのであるが、大佐はなかなか夢がある人で子供のために北極から南下した形跡があるかどうか部下に任命して調べたのだ!
 で、CONADはレーダー網を駆使してサンタを捜し出し、サンタ最新位置情報を子供達に提供したのだ。NORADのサイトにこの顛末はちゃんと書いてあるんだからこれは紛れもない事実らしい(笑)。
 この事件以来、CONADではクリスマスのサンタの追跡調査が任務となり、NORADになってからもその任務は引き継がれた。そして電話サービスのみであったこのサービスは1998年からはインターネットでも配信されていて、クリスマスイブの夜は世界中どこからでもサンタの動きがわかるようになっているのだ。

 さて、こうなるとNORADのサンタ追跡のプログラム内容が気になってくる。
 サンタの追跡プログラムはかなりハイテクなモノで、レーダー、衛星、サンタカム、ジェット戦闘機といった4つのシステムを使用してサンタを追尾している。特にサンタカムというのはこのプログラムのために特別に開発された物でサンタをかなり鮮明にとらえられる高性能デジタルカメラで戦闘機にも搭載可能なくらい小型化されているスグレモノだ(笑)。
 まず、カナダの北側からアラスカまで47ヶ所に察知されている北警告システムと呼ばれるレーダーシステムが北極から出発しようとするサンタを警戒する。そしてサンタがトナカイに乗って出発するとその動きは上空約3万5千キロに位置する軍事衛星が「ルドルフ」の鼻(※)の熱源からサンタの現在位置を割り出す。
※暗い夜道が照らせるほど明るいルドルフの鼻は赤外線のような熱源を持っているらしい。ちなみにこの探知ができるのは世界でもNORADだけらしい。すげぇ技術力だ。
 その情報に応じて各所に備え付けられているサンタカムが作動して画像を撮影。さらにカナダからはGF-18が、アメリカではF-15イーグル、F-16ファイティング・ファルコンがサンタに接触を試みてサンタカムで撮影すると同時にサンタを誘導する。





 こういったすげぇ大がかりなシステムでクリスマスイブのサンタの動きは探知され、クリスマスにはリアルタイムで世界中に配信されているのである。なかなかアメリカらしい大がかりなプログラムである。日本でもイージス艦とかでおっかけてくれないですかね~?(笑)

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NORADのサンタ追跡サイトのアドレスは以下を参照
http://noradsanta.org/(トップページ)

  

Posted by さめ ひろし at 23:14Comments(0)月刊みりさば